WINTER TOUR 73 / THE ROLLING STONES

STONESのBOOTはレディジェンの72年USツアー、73年のユーロツアーを紹介しましたが、今回はその2つのツアーの間に行われた73年WINTERツアーのBOOTを紹介します。


まずはツアー初日、1月18日のLAフォーラム。このコンサートはミックの妻のビアンカの母国のニカラグアの災害チャリティコンサートでした。音も聴き易い隠密ですが、ちょっとテイラーのでかくない?キースのギターが聴こえないのでやや腑抜けた感じ。「ROUTE66」や「IT'S ALL OVER NOW」なんてカバー、そして非常にレアな「NO EXPECTATINS」には涙です。テイラーのバッキングが気持ち悪い「LIVE WITH ME」「STRAY CATS」なんかもこの時期にはレアですね。さすがツアー初日だけにレアな曲満載です。

そして1月21日からのハワイ公演3連発。21日は音もステレオ隠密で近くヘッドフォンでも聴けるクオリティ、隠密のBOOTでヘッドフォンで聴けるクオリティなんてなかなかないよ、ましてや40年近く前だよ。ハワイという土地柄か、ミックもテンション高い。続く22日の1ST SHOWはアナログ時代から有名な音源、これもステレオ隠密です。21日が音が近い分ややギスギスした攻撃的イメージだったのに対し、22日はマイルドなイメージ、バランス的にも最高。地元のラジオ局が録音したという噂も・・・当然ヘッドフォン・クオリティです!それらに比べ最終の22日2ND SHOWは分が悪い、それでも十分のレベルですけど・・・。1月18日と同レベルかな?総じてハワイ公演はプレイも音質も安定していてお勧めです。

幻の日本公演を挟み2月11日のニュージーランドオークランド、ややブランクが空いたか、日本公演キャンセルで気落ちしたか、プレイも覇気がありません。上質の隠密なのでプレイが悔やまれます。いきなり「BROWN SUGAR」のイントロから糞詰まり、キースの細かいミスが目立ちます。つられてかミックも「VIRGINIA」では奇妙なハープのイントロ。まぁ、たまにはこんなこともあるわな・・・。あ、「RIP THIS JOINT」がメニューから外れてます。

そしてツアー最終地のオーストラリアへ上陸。2月17日、18日メルボルンでのライブです。17日は音の近い隠密、バランスも良好、昔はライン録音と言われてたくらいです。ちょっととげとげした荒れ気味の音質が迫力あります。プレイも復活し安定してます。レアな曲を外し「HONKY TONK」「BYE BYE JOHNNY」を入れたりしていかにも72年USツアーと73年ユーロツアーの間らしいメニューです。18日も17日同様の音の近い良好隠密、17日に比べ若干おとなしめの音質です。こっちのほうが聴き易いかも?

そしてここからお待ちかねのライン音源3連発です。2月24日のパース、これはアナログ時代からの有名音源。ラインといっても卓直結の生々しいものです。ミックがハイテンション、「BROWN SUGAR」の「R&R!」の掛け声からノリノリです。当日はピアノのニッキー・ホプキンスの誕生日でバースディソングなんかもかましてくれます。チャックベリーは「QUEENIE」に替わりました。「GIMME SHELTER」のイントロにチャーリーが合わせられなかったりズッコケもありますが、とにかくノリのいい陽気なライブ、ラスト2曲が未収なのが痛い!26日のシドニーも卓直のライン音源、この日のほうが多少音に深みがあるかな?とにかく陽気なライブ。「HAPPY」のイントロを間違えたり相変わらずボケをかましてます。「QUEENIE」も一瞬「BYE BYE」を弾こうとしたやろ!この日もラスト2曲が未収、隠密に差し替えられてます。そして27日の最終日シドニー、ついに完全ライン収録です。ツアー最終日だけあってプレイも最高、もうノリノリです。こういう音質やと「ALL DOWN」がむっちゃ格好ええ、テイラーのスライドが絡みまくってます。そして「JJF」、やっとこのツアーのラインが聴けた。とにかく最高、数あるライブテイクの中でもベスト3に入るでは?

本ツアー、まずは2月27日ツアー最終日のシドニーです。72年レディジェン、73年ブリュッセルと並んでSTONESライブの最高峰です。24日のパースもボケありの陽気なライブでええね。あと隠密も良好な音質が揃ってるけどハワイ初日、2日目1ST SHOWがお勧めです。