MOURNING / NIGHT SUN

辺境のハードロック第5弾はドイツのNIGHT SUN、唯一の72年作です。


当時のレベルとしては十分に世界水準にある本作、プロデューサーがかのコニー・プランクです。ギター・鍵盤・リズム隊の4人組でギターがボーカルを兼任してますが、このボーカルはかなり強力!ディオやスコピのクラウス・マイネ、ルシファーズのジョン・ロートン系の張りのあるいかにもなハードロック系ボーカルです。音の方は当時の世界最高峰の4大ハードロックバンド(ZEP、PURPLE、SABBATH、HEEP)の攻撃的・邪悪的な要素を凝縮したようなハードロックです。

いきなり性急な「PLASTIC SHOTGUN」でスタート、4大バンドのピーク時と同時代ながら4大バンドを攻撃性・スピードですでに凌駕してます。IRON MAIDENの登場をこの時点で予言しているかのナンバー。続く「CRAZY WOMAN」もアグレッシヴな名曲、格好ええよ。そしてイントロが2分以上引っ張る「GOT A BONE OF MY OWN」、続く「SLUSH PAN MAN」。この2曲はへヴィ、このあたりSABBATHをテクニカルにしたような感じです。

B面もSABBATH系へヴィな「LIVING WITH DYING」でスタート。SABBATHに比べると鍵盤が入ってる分、洗練されて聴き易い感じ。続いては幽玄なスローナンバーからへヴィに展開、リッチーばりのソロが光る「COME DOWN」。シャッフルのいかにもな「BLIND」。ノリ的には「LAZY」のよりハードロック的なものかな?そしてスピーディな「NIGHTMARE」、A面1.2曲目と並んでアグレッシヴなハードロックの名曲。最後はブラス入りの変態的ハードロック「DON'T START FLYIN」で幕を閉じます。

「CRAZY WOMAN」「NIGHTMARE」の2曲がお気に入りやけど、全曲ともかなりの高水準。ただし畳み掛ける展開、邪悪な雰囲気なんかはかなり聴くのに体力消耗するよ!