IRISH COFFEE

辺境のハードロック第4弾はベルギーのIRISH COFFEEです。唯一のアルバムが71年に出てます。


71年といえばZEPが「Ⅳ」、パープルが「FIREBALL」、サバスが「MASTER OF REALITY」ヒープが「LOOK AT YOURSELF」と大御所が名作を出した年、本作も熱い時代の音です。

入手可能なCDは本作にシングル7曲をボートラしたもの。いきなりシングル曲「MASTERPIECE」から始まりますが、これがモロにパープル系の大名曲。先日のGIFTが74年作でパープルからレインボウに移行する時期の音だったのに対し、IRISH COFFEEは71年作だけあって「IN ROCK」の頃のパープルの音です。しっかしよく似てる・・・ギターの音色なんかあのストラトのリッチーの音、ハモンドジョン・ロード!ソロのフレーズもそっくり!違いはボーカルがイアン・ギランのような高音シャウトを使わない割と太いパワーで押すタイプ、サビでコーラスが入りわかりやすく曲が3分と非常にコンパクトなところ。多分ライブでは10分くらいやるんやろな・・・。2曲目から1STアルバムの曲ですが、トップの「CAN'T TAKE IT」も同傾向のパープル系名曲です。単に曲の良さだけでいったらパープル以上かも?あ〜、この曲もハモンドが・・・似すぎて笑うしかない!続く「BEGINING OF END」「WINTER COMES」はむしろ第1期パープル系のムーディなナンバー、ここでのボーカルはロッド・エヴァンスみたいにジェントリーです。そして2部構成の「SHOW」、続く「HEAR ME」はまたまたハードナンバー。ここでも切り込むギターがリッチーです。ムーディな「DAY LIKE TODAY」アルバムラストの牧歌的な「I'M LOST」で本作は終わり。

ボートラの6曲はシングル曲だけにコンパクトな佳曲ぞろい。哀愁の「CARRY ON」、高速ハードの「CHILD」、シャッフルハードの「DOWN×3」、R&Rの「WITCH LADY」あたりは曲の水準も高くいかにもシングル曲って感じ。

そりゃあ71年のZEPやら大御所と較べると分が悪い。それでも「MASTERPIECE」「CAN'T TAKE IT」の2曲は当時の大御所にも匹敵する出来栄えです。次世代のUFOやらが当時どんな水準やったか考えると、同時代にベルギーにこんなバンドがおっただけでも驚愕もんでしょう。