HARRY

大阪シャングリラへHARRYのライブに行ってきました。スライダーズの頃は何回かライブいきました。デビュー当時のバーボンハウスに始まり、5回見に行きました。最後はROUTE SSのツアーを四日市で見た時でした。

2000年のスライダーズ解散後、アコースティックでポツポツやってたHARRYが2003年ついにソロアルバムを元ボ・ガンボズのKYONをプロデューサーに迎えて発表、スライダーズ時代の未発表曲「十字路」「JUMP SO HIGH」を含めた割とゴージャスな作り。武田真治がSAXで参加してたりしてます。個人的には「時間旅行」「JUMP」「ECSTASY」「READY TO GO」あたりのスライダーズ直系のR&Rは当然いかしてるけど「SWEET PAIN」にとどめを刺します。KEITHのソロにも似た味わいのソウル・バラードです。「MIDNIGHT SUN」も名曲の誉れ高く全体的にスライダーズをちょっと贅沢に、ちょっとポップに、ちょっとバラエティにって感じ。何といってもスライダーズよりボーカルのミックスが大きいのが「HARRYのソロ」って実感させます。

 2004年には早くも2NDソロを出してくれました。1曲目の「YOU KNOW MY NAME」が無茶苦茶格好よい、これは名曲!前作から一転してトリオでのシンプルなサウンド、ギターも結構1本だけのところが多い。今回もスライダーズ時代の曲「RUN SILENT」「PERSIAN BLUE」「COME AGAIN」「落陽」それにスライダーズ初期からのカバー「WALKIN’ DOG」を始めカバー曲を収録。ちょっと待てよ、書き下ろしの新曲がほとんど無いやんけ!この頃からHARRYはひとつの壁に当たったのかも知れない。この後スライダーズ時代の曲の弾き語りでのセルフカバーを出したりして、とにかく今までの自分に落とし前をつけたかったのかも知れない。

 ミニアルバム、セルフカバーやら出してたけどフルアルバムとしては5年ぶりの本作、とにかく驚いた。HARRYの髪型はさておいて、そのサウンド!2NDからさらにシンプルになってついにベースレス!JAMES入れたれよ!歌詞もスライダーズのちょっとクールなものから「エレカシか?」と思うような漢字主体のゴツゴツしたものになった。しかし収録された20曲、全部書き下ろし?HARRY頑張ったやん!個人的には「野戯れARGUS」「おけら人間もどき」「サイレンノイローゼ」「狼煙」「15%の生き地獄」「生玉」「スラムへ行くより手っ取り早い」「空蝉」「FUCKIN'月曜日」「三白眼の油売り」と結構名曲揃いでライブが楽しみです。あ、「OLD BLACK MAN」は蘭丸のことを唄ってんの?

 さて期待と不安を抱いてシャングリラへ行ってきました。とにかくHARRYが自分を変えていこうとしてるのが手にとるようにわかるライブでした。髪型は前髪をバックにして「最近のKEITHの真似?」って感じ。ドラムとのデュオで新作と同じベースレス。ドラムスは普通のお兄ちゃんって感じでした。中々タイトでしたよ。MCも割と喋って「また来ちゃった〜」で始まり「また来るかもしれません」で終わりました。曲も新作とBEATLESの「I'M ONLY SLEEPING」「WLKING DOG」もう1曲は?のカバー3曲。スライダーズ時代は当然、今までのオリジナルは1曲もやりませんでした。正直やっぱりベースが欲しい。「俺がベース弾いたろか?」って言いたくなりました。ベードラだけではボトムが弱い!ましてやHARRYの荒いギターならベースは必要。完全に過渡期のライブって感じ。HARRYのことやから段々といかしたR&Rになっていくと思うよ。もう一度見て確認したくなるようなライブでした。10代の頃から憧れのHARRYやから、あえて苦言を・・・「歌詞カード見ながら唄うなよ、お前はフォークシンガーちゃうやろ、ロケンローラーやろ!」