IMAGINATION LADY / CHICKEN SHACK

ここのところジミヘンフォロワー関係が続きました。ついでにトリオバンドをいくつか紹介していきます。この辺りは自分でもトリオバンドやってるんで得意分野です。

まずはスタン・ウェブ率いるCHICKEN SHACK。英国三大ブルースバンドの一つ。アルバムごとにメンバーの出入りが激しく、純粋なトリオバンドではなく、たまたま本作品がトリオやったという感じ。たしかに他のアルバムと較べてもハードなサウンドは毛色が違う。しかし、敢えて本作品をバンドの最高作と断言してしまいます。とにかくハード、ギターもベースもドラムも三つ巴のバトル状態、特にベースはあのジョン・グラスコック、後のカルメン、ジェスロタルのゴリゴリベースプレイヤーです。通好みな英国ブルースからハード、プログレで活躍した名ベースプレイヤーです。ドラムのポール・ハンコックスも負けじとバタバタしたドラムで対抗します。この人、どっかのバンドにいたっけなぁ?

いきなりBBキングの「泣いても無駄」からスタートするんやけど、全くBBの曲の面影はなく、三つ巴の完全なハードロックと化してます。ベースが痛快に弾き倒してます。スタンのぶっきらぼうなボーカルも相まって「ヤクザ男のロック」!名曲・名演です。続いてはクリームの「白部屋」によく似た「丘の上の娘」、英国ブルースバンドお得意のパターン。フォークシンガーのティムバーゲンの「僕が大工だったら」はドラマチックに仕上げてます。そして定番の「Going Down」、この曲が大人しく聞こえるくらい荒れ狂ってます。

B面もハードな「Poor Boy」でスタート、「泣いても無駄」と並んで本作品のベストトラックやな。続いては大曲、ジェットマシーンを効かせたドラムソロがやたらと長い!長さだけなら「Moby Dick」にも負けない?ちょっと長尺。最後は割とポップな「Loser」でお終い。この曲、キャッチーでええよ。隠れた名曲です。ただ2分半はコンパクト過ぎませんか?

他のCHICKEN SHACKのアルバムを聴いて本作を聴くと、本作の異質さがよくわかります。他のアルバムは割と普通のブルースロック、本作はかなりハードでヤクザな出来です。スタンの本質からはちょっとかけ離れているのかも知れないな。リズム隊との化学反応の賜物でしょう。イメージ的には70年代前半あたりまでのジョニー・ウインターに近いかな?あの辺りのブルースロックが好きならばお勧めです。