THE BARRETT

たまにはJPバンドも紹介してみます。やっぱSLIDERSがトータル的にはフェバリットなんたけど、それに続くのがこのBARRETTです。インディーズで一枚アルバム出してからメジャーデビュー、メジャーからはPANTAのバックでKey弾いていた中山努がプロデュースしてました。

 メジャーからのデビュー作「PAPER BACKS TOWER」。SLIDERSのようにデビュー作では「R&Rバンドだぜ!」って感じではなく、ちょっと引いた感じの曲やら非常に詩的な部分があっtりします。「おんぼろ自転車に乗って」「そばにいてよ」「星の綺麗な夜に逢おう」が良い。「おんぼろ自転車」はSLIDERSというかSTONESテイストR&Rの王道かつ名曲です。「そばにいてよ」は最初はちょっとクールでエンディングではストリングスが出てくる壮大なバラードです。この曲は一度ライブで見てみたかった。「俺は案山子」「遠い町から」「STRRET WALKER」はSLIDERSがソリッドかつテクニカルになった感じ。「WHISKY BLUES」「噂」「シャララ」はちょっと引いたクールな曲。メジャーデビューとしては十分な出来なんだけど、ドラムのスネアの音処理が耳につくのと、ちょっと肩に力が入れすぎの感じがあります。

 2作目の「はにかみ航海記」で一気にBARRETの世界が確立されました。SLIDERSよりも詩的で音楽性の幅が広いのがBARRETT。SLIDERSにはワンフレーズでの格好良さがあるけど、BARRETTには綿密な構築の格好良さがあります。ポジション的にはSLIDERSとエレカシの中間かな?とにかくこいつは捨て曲なしの名盤です。はるか昔に廃盤やけどぜひ探してGETしてください。月曜から日曜まで歌詞が面白い「せっかち一週間」ほんわかした「日向で寝てる」STONES的名曲「どろどろ」「裸の日々」「じっとしてろ」バラードの「雨曝しの夜に」あたりがベストですが、やっぱり「天国の月」です。宗教的な臭いさえしてくるバラードです。1stで気になったスネアの音処理も本作ではナチュラルになり、富士井謙二のギターもさらにシャープになってます。とにかくトータル的には本作が最高傑作です!

 最終作の「砂漠のびっくり草紙」。ドラムがチェンジし、さらにホーンを取り入れたりしてファンキーさも出てます。でもちょっと全体に凝り過ぎの感もあり・・・確かに曲もアレンジもよく練ってあるんやけどね。STONES的名曲が本作にはないのが痛い!「ろくなことがないⅡ」「木偶の塔」「煙の海賊」あたりがベストやけど、やっぱ「BYE BYE LONG SUMMERTIME」が最高!BARRETTにしてはちょっとPOPすぎるが曲自体が不朽の名作なんやで許す!!歌詞もわびしくもつつましく幸せを目指す感じで泣かせます。本作ははっきりいってこの曲と他の曲の差が大き過ぎ!それとライブで再現できるのか?と心配になるくらいアレンジに凝り過ぎです。前作までのバンドとしての存在がやや希薄に感じます。

そんなこんなでBARRETTはその後、人知れず解散してました。ギターの富士井はMY LITTLE LOVERに参加、たぶん今でもやってるんでしょう。そのあたりになると俺より娘らに聞いてくれ!結局BARRETTは一度もライブを見ずに終わってしまった。見ておきたかったなぁ・・・。