初期のSTREET SLIDERSパート2

連夜のSLIDERSです。

 3RDの「JAG OUT」。このあたりから曲そのものの魅力で勝負するようになってきました。トップは「TOKYO JUNK」はSLIDERSらしい名曲で始まり、3コードのシンプルな「NO MORE TROUBLE」、これはHARRYの最新ソロにも近い感じ。好きです。シングルになった「カメレオン」はちょっとなぁ・・・曲そのものの魅力に欠ける。「PEACE MAKER」もSLIDERSらしいちょっとへヴィめのナンバー。B面はレゲエっぽい「FEEL SO DOWN」で始まる。この曲もなかなかポップでよい。「チャンドラー」もいかにもSLIDERSなナンバーやし、「ONE DAY」は2NDの「道化者」の流れを汲んだセンチなバラードと楽曲の良さが光る。しかし何といっても「EASY COME」でしょう。「また嫌われちまった、俺の歩き方」というくだりで始まる歌詞が最高の割とキャッチーなメロディのロックナンバーです。2NDではジャムから発展したような曲が多かったけど、本作では曲を作り込んだ印象です。ただ、ドラム(特にスネア)の音処理がデジタル過ぎるのが残念!この時のツアーも御堂会館へ見に行ったなぁ。

 そして問題の「SLEEPWALKER」。ロンドン録音です。そのせいか録音も何か靄がかかったような音処理のような気がします。すごく曲は作り込まれているんやけど、一聴しただけではすごくその魅力がわかりにくい。俺も初めて聴いたときは「?」でした。しかしじっくり何度も聴くとその曲の良さ、緻密なアレンジに引き込まれてしまいます。「REALLY DOWN」でさらりと始まり「パラダイス」でSLEIDERSらしさを聴かせます。「7TH AVENUE」も割りとあっさり系のR&R。そして「EVERYTHIG TO ME」。3RDから顔を出したSLIDERS流レゲエっぽさが完成したナンバーです。ええよ、この曲。シングルになった「NEW DANCE」も青白くもキャッチーなR&R、名曲でしょう。「君の答えはYES、いつだってそう。最高さ。」といったシニカルな歌詞が最高です。B面は「いまはこれでいいさ」でサイケに始まります。「寒いけれど今はこれでいいさ」というサビが大好きです。そして名曲の「DOWN THE STREET」、確かにええ曲です。これも単なるR&Rでなくレゲエなんかを通過したニュアンスを感じさせます。最後は「つむじ風」。3RDの「チャンドラー」よく似たナンバーなんですが、ちょっと異質。全体的に譜割りとかコード進行とかに単純なR&Rから脱却しようとする異質感があります。それが魅力のわかりにくさにもなっているかもしれません。でもSLIDERSがワンステップアップを遂げる過程として避けて通れないアルバムです。個人的には大好きなアルバムです。

この後SLIDERSは四人囃子の佐久間さんをプロデューサーに迎え12INCHシングルを連発、次作の「ANGELS」で一気にメジャーになっていきます。売れてからのSLIDRESも好きやけど、やっぱり初期のSLIDRESは最高です!