BAKERLOO

GWもすっかり後半、いかがお過ごしですか?当方、前半の多忙が嘘のような暇なGW後半です。紹介するのも相変わらずトリオです。

後にコロシアム、ハンブル・パイで名をあげるクレム・クレムソンが18歳の時のバンド、唯一の作品は1969年にハーベスト・レーベルから発表されてます。当時のイギリスといえばクリームが解散、ゼップがデビューという脱ブルースロックというかハードロックの前夜って時期。BAKERLOOもブルースからの脱却を試みてます。

トップはちょっとジャジーなブルースインスト、TYAを思わせます。クレムソンのギター、流石に上手い。これで18歳は早熟!続いてウィリー・ディクソンのカバー、ZEPは途中でハードに展開するが、こちらは至って普通のブルースです。そしてJETHRO TULLの「ブーレ」のギター版、バッハのカバーです。「ちょっとこんなんやってみました〜」的で余興の域をでてない。続いてサイケっぽいスローナンバー。中盤はハードになるがイマイチ盛り上がりに欠ける。A面ラストはなかなかハードなインスト、ドラムソロも入って頑張ってます。しかし俺はインストが嫌いやっちゅうの!

B面は真っ正面のスローブルース、クレムソンのギターが気持ちええなぁ。あんまりブルースからの脱却なんて肩肘張らずにもっと自然体でやったらええのになぁ。この曲、意外にベスト・トラック!そして最後は15分もの大曲「Son of Moonshine」。なかなかハードな格好ええ曲やな。しかし15分はちょっと長尺やろ!5分までにまとめられるはず、そんなに展開もなく、クレムソンが弾きまくるだけで15分は辛い!曲の最初の音の感じがライブっぽいんやけど、ライブバージョンにダビング編集した?

ちょっとブルースからの脱却に捕らわれ過ぎかな?クレムソンのギターは早熟な天才肌を感じるし、リズム隊もちょっとジャジーに頑張ってんのやから、もっと自然体でやったらええのになぁ。Tasteみたいに地に足がついた所が感じられやんわ。一枚もの(たしかに一枚でバンドは解散したけど)の企画バンドみたいやもん。当時の雰囲気は感じられるし、ギターは上手いんやけどなぁ。

クレムソンはこの後コロシアム、パイと英国ロックの檜舞台で大活躍、今でも再編コロシアム等で現役です。リズム隊はこの後、メイ・ブリッツに加入するジェイムス・ブラックと合流。ブラックとのプロジェクトの後、ドラムのキース・ベイカーはたしかUriah Heepの2枚目に参加していたはず。70年代初頭の英国ロック界の人脈って興味深いね!