ALL MOD CONS / THE JAM

ハードロック系ばかりがロックトリオじゃないぜ。英国の愛すべきロックトリオTHE JAM、個人的には一番のお気に入り「ALL MOD CONS」です。70年代後半に吹き荒れたパンク、その英国パンク四天王(ピストルズ、クラッシュ、ストラングラーズ、ジャム)の中でも一番60年代ビートロックを感じさせるJAMはお気に入りでした。昔カバーしたこともあるな。

トップから1分ちょっとのむっちゃ短いタイトル曲でスタート、ちょっとクールな感じがこの後のワクワク感を煽る感じでええね。最後のフィードバックの消えかけに滑り込む「TO BE SOMEONE」のイントロのベースライン、いかにも英国ビートロック!そして「MR CLEAN」、この英国らしさは説明不可能、聴いてもらうしかないね。そしてKINKSのカバー「DAVID WATTS」を挟んで「英国の薔薇」、波の効果音とアコギの調べが美しい英国でしか有り得ない極上のバラードです。A面ラストも「MR CLEAN」系の渋めの英国らしいナンバーでお終い。A面は割と落ち着いた感じの印象です。

B面になるといきなり元気な「BILLY HUNT」。続く「TOO BAD」とええねぇ、この辺り英国ビートロックの神髄、単純に恰好ええよ。渋めの「FLY」で一息ついた後はまたまたビートロック連発。「バクダンさわぎ」のカウベルからリンゴ・スター譲りの英国伝統のドラムがええ味出してます。そして地下鉄の効果音から導かれるラストの「TUBE STATION」はJAMの代表曲。英国バンドってどこかにポップ感覚というか哀愁感があるんやよね、この曲なんかモロにそんな英国感覚が溢れてます。結構シビアな歌詞もあいまって大名曲です。

ちょっと落ち着いた感じのA面から、ビートナンバー炸裂のB面、そして最後に大名曲で閉める本作、次作の「SETTING SONS」と並んでJAMの代表作です。個人的にはより英国ビートバンドらしさのある本作のほうが好みかな?