GRACIOUS

もう一発英国オルガンロックを・・・これも隠れた名バンドやね、GRACIOUS!


70年発表の1ST。当時の英国アングラシーンを代表する傑作です。ジャンル分けするなら一応プログレなんやけど、結構ごった煮でボーカルパートなんかBEATLESを思わせるほどにポップ!ちょっと60年代サイケの香りもほんのり・・・。トップの「INTRODUCTION」は代表曲でしょう。適度にハードでクラシカル、そして英国ポップ伝統のメロディ。続く「HEAVEN」なんか高尚なオルガンのイントロから日曜の午後を思わせるアコギのボーカルパートがむっちゃポップ!こんなん英国やないと出せやん味やね。「HELL」ではミサ曲「怒りの日々」を凶暴なハモンドを中心にハードに決めてます。クラシックの名フレーズが飛び出すあたりベガオペにも近いかな?最後の「DREAM」は17分もの大曲。ハードなギターと色々な鍵盤が交差する中にポップでムーディなボーカルパート(9分辺りの「HEY JUDE」のパロディはご愛嬌)が切り込んでくる飽きさせない構成になってます。ずばり名作!


71年の2ND「THIS IS…GRACIOUS」。1STが名盤の誉れ高く、本作はあまり話題にならないけれど、本作も侮れません。サイケ臭・ポップ色は弱まったけど、よりハードになってバンドの一体感が強調されてます。いきなり25分もの大曲「SUPER NOVA」からスタート。1STの大曲「DREAM」に較べると展開が比較的ゆったりとしてて(とはいえ十分展開していくんやけど)各パートの印象が強まる感じ。B面は格好ええ「C.B.S.」でスタート、この曲コンパクトでノリも良くてキャッチーで隠れた名曲です。続く「ONCE ON WINDY DAY」はむっちゃポップ、BAD FINGERみたい。「BLUE SKIES&ALIBIS」もGRACIOUSならではのナンバー。ハードでノリのええイントロからポップでムーディなボーカルパートへの切り替えしが最高。「HOLD ME DOWN」もサビがむっちゃ格好ええ名曲。1STに較べたらプログレ度・サイケ臭・ポップさは後退したけどよりハードになって個人的には劣らずの名作と思いますよ。むしろロックというならこっちかな?はっきり言ってプログレやないよ。英国ロックです。英国ハードロックかな?WISHBONE ASHをハードロックにジャンル分けするのと同じ感覚かな?

ベガオペにしてもこのGRACIOUSにしても英国ならではの臭いがプンプンしてます。一度聴いてみて!