ONE / FLAX

北欧のハードロックは紹介したの今までにAUNT MARYくらいかな?AUNT MARYは70年代初頭の名バンドでしたが、このFLAXはもうちょっと後の70年代中期の隠れた名バンドです。


一見キーフのデザインのようなジャケットの本作は76年の唯一の作品です。70年代中期ともなると音も若干モダンになってシンセとかも入ってます。トップの「DEMON IN YOUR HEART」は叙情的イントロがキャメルみたい。リズムチェンジもあったりしてかなりプログレっぽい出だしですが、ボーカル部分になると立派なハードロック。結構シアトリカルなボーカル、ベースはちょっと硬めの音でクリス・スクワイヤみたい。当時のライブもシアトリカルやったらしい。この1曲でFLAXのイメージが大体掴めます。シャキシャキしたリズムに器用なきらびやかな鍵盤、メロディアスなちょっと粘るギター、曲調は展開が早く叙情的と攻撃的な部分の切り替えしが激しい。そしてその上にシアトリカルなボーカルがのっかる。「HAVE YOU SEEN MY FRIEND」なんかコーラスも結構効いていてクィーンとヒープの合体、この曲もリズムチェンジ激しいわ。「HELL ON EARTH」のような幽玄な曲になるとちょっと軽いかな?

B面に移るとハードな「PAIN IN ARSE」。イケイケの曲なんやけど中間部のリリカルなとこなんか英国グラムポップ(ロキシーコックニーレベル)を思わせます。「CLEVER MAN」も展開の激しいハードな曲、相変わらずボーカルがシアトリカルでコーラスもバッチリです。「LEAVING HOME」「MIRROR」も早いパッセージと激しい展開、手数の多いドラム!展開が激しいのに各曲が3分台なんでテンションかなり高い。でも音像が割りと軽めでおどろおどろしさがあまり感じられないので聴いてても疲れません。おどろおどろしくやってもあんまり疲れないのは北欧バンドの特性?

FLAXは80年代初頭まで活動していたみたい。本作の後にシングルを出してるらしい。イメージはクィーン、ヒープからグラムあたりをごちゃ混ぜにしたイエスって感じのバンドかな?音の感触がサッパリしているので重さを求めるよりおもちゃ箱をひっくり返したような面白さを味わってもらいたい隠れた名盤。特に北欧のハードロック系はあまり目立たないので要チェックです。