FLOWER TRAVELLIN' BAND

暑っ〜、PCの部屋にクーラーがないので更新がちょっと空いてしまいました。

先日、ジョー山中さん死亡のニュースを見ました。FTBで一世を風靡した当時はリアルタイムではなくて「人間の証明」がリアルタイムでした。確か高校生の頃です。「人間の証明」の勢いで「SATORI」を当時の近鉄百貨店で買ったのがFTBの初体験でした。あ、その数年前に日立のCMで「MAKE UP」が流れていて「えらい格好ええハードロックやなぁ」という記憶も・・・。


FTBの出世作2NDの「SATORI」。シンバル音からいきなりのジョーの「カ〜ン!」というシャウトにビックリ!「カ〜ン!」からして異質でしょ?ここから格好ええハードロックに雪崩れ込む「パート1」。サバス的おどろおどろしさとスピード感が交差してオリエンタル風味が混ざり合う名曲です。「パート2」はイントロからインド風味、中盤には和太鼓まで登場するFTBならではのナンバー。「パート3」はのちの名曲「HIROSHIMA」の原曲、インストナンバーです。東洋的おどろおどろしいメロディ満載です。「パート4」は割とオーソドックス、ハープも入ったブルースハードロックです。「パート5」はお香のにおいが漂ってきそうなFTBらしいナンバー。このニュアンスは聴いてもらうしかないよな。サバスとマウンテンに東洋的おどろおどろしさをぶち込んだような本作はFTBの音楽性が確立された代表作、確かにこれを英米が聴いたら「日本のハードロックやなぁ〜」って思うんやろね。


海外録音の「MADE IN JAPAN」を挟んだ最終作「MAKE UP」。当時は解散が決まっていたのかライブ音源も含んだFTBの総決算のような内容になってます。割と抑えた感じからじわじわ盛り上がる「ALL THE DAYS」からスタート。そして大名曲の「MAKE UP」、ケン・ヘンズレーのような鍵盤もええ味付けになってます。コンパクトで格好ええハードロックです。そして大好きな「LOOK AT MY WINDOW」が始まります。東洋的おどろおどろしさはかけらも無くてむしろフォークロック的ナンバーなんやけど楽曲自体の良さがあるよな。「SLOWLY BUT SURELY」はいつものFTBらしいハードロックなんやけど「これでもか」的東洋おどろおどろしさはあんまり無くて割とオーソドックスなハードロック。タイトル曲にしてもこの曲にしてもこういうオーソドックスなハードロックでサバスやらの世界水準に十分到達しています。GFRの「HEARTBREAKER」と「メリージェーン」の合体のような「ウーマン」はマイナーバラードの名演。「BROKEN STRINGS」なんか「人間の証明」を予感させるジョーの歌いっぷりです。さすがに2枚目の「HIROSHIMA」「SATORI PART2」のライブとなると東洋的おどろおどろしさ満載。う〜ん、濃厚なFTBの世界。ユーヤさんの歌う「BLUE SUEDE SHOES」、最後のエピローグとなる「AFTER CONCERT」はおまけみたいなもんかな?個人的には「東洋的おどろおどろしさ満載のハードロックを世界に出すぞ」的な「SATORI」よりも(一般的にはその思惑が命中したから「SATORI」は代表作なんやけどね)オーソドックスに世界水準に到達している本作アナログ1枚目のほうが好きです。2枚目はファンサービスのようなもんかな?

日本のロック創世期から頑張ってきたジョー山中さん、ご冥福をお祈りします。