LUCIFER'S FRIEND

今回はスコピと並んでドイツが世界に誇る(スコピと比べるとどえらいマイナーやなぁ)LUCIFER'S FRIENDです。


以前にも紹介したASTRIXを経てのLUCIFER'Sの1ST。全アルバムの中では一番ハードロックしてます。いきなり1曲目の「RIDE IN THE SKY」からZEPファンなら激怒!しかし実は「移民の歌」よりLUCIFER'Sのほうが先なんです。ジョン・ロートンの声のよく伸びること。ディオやクラウス・マイネと同タイプなんですが、ロートンのほうが伸び・声域ともに優ってます。ハードロック系のボーカリストはぜひ聴いてほしいですね。「EVERYBODEY'S CLOWN」「TOXIC SHADOWS」「TIME OF JOB」あたりもHRとして単純に格好ええ名曲。ひたすらソリッド、HRというよりメタルに近い感触です。70年といえばZEPは「Ⅲ」、パープルは「IN ROCK」、サバスは「PARANOID」発表の年。まったく引けをとらない水準です。むしろメタル者が聴けばLUCIFER'Sに軍配があがるかも?もしLUCIFER'Sが英国からデビューしてたら、ROCKの歴史が変わってたかも?そう思わせるほどの名盤です。しかし実はLUCIFER'Sの本当の姿は・・・。


1STで英国HRバンドを凌駕する高水準のHRアルバムを出しましたが、これがLUCIFER'Sの本当の姿でしょう。LUCIFER'Sの全作品の中でも一番変態色が強い本作は聴く人によってはHRというよりプログレ(それもクリムゾン)にしか聴こえへんかも・・・。トップの「HOBO」はその中でも一番ストレートでHR色の強いナンバー。疾走感溢れて歌メロが程好くポップ、テクニカルな部分もありの完璧な名曲です。1曲目でこんな曲を聴かされたらアルバム通しての期待もふくらんで当然です。しかし2曲目の「ROSE ON VINE」・・・「何じゃ、こりゃ?」クリムゾンがHRをやってるような、パープルがクリムゾンをやってるような(はっきり言って技術的にはパープルよりLUCIFER'Sのほうが器用です)変態的ナンバー。変拍子雨あられ、メロも?です。続く「MOTHER」はやたら大仰なドラマチックなナンバー。ところがまたまた中間部から変拍子、変態的ピアノとヴァイオリンのソロ。続くタイトル曲は結構ハードなんやけど変拍子の嵐、フルートも入ってたりしてます。「PRINCE OF DARKNESS」は「HOBO」と並んで割とまともな(?)HRナンバー。しかしここまでの3曲ですっかり耳と脳がいかれてるので逆に物足りない?しかし「SUMMERTIME」で腹いっぱいになります。メロトロンをふんだんに使った暗黒ナンバー、耳と脳が腐ります。これは完全にプログレです。最後の「BURNING SHIP」はアコギの牧歌っぽい暖かいナンバー。最後に腐った耳と脳を癒してくれます。

LUCIFER'Sは8枚オリジナル・アルバムがあるけどHRアルバムならば断然1STです。しかしLUCIFER'Sの本性からするとやっぱり2NDでしょう。4枚目もええですよ。とにかく耳と脳が腐るHR(やっぱりこれはプログレじゃなくて変態的HRでしょう)の大傑作です。