ERNIE GRAHAM

ディラン、コステロと大物が続いたところでマイナー系も・・・ERNIE GRAHAMです。

多分、誰もアニーの事を知らんやろから簡単に紹介をば。アイルランドベルファスト出身のシンガー・ソングライター。エア・アパレントで60年代にデビュー。ヘンリー・マックロゥやジョー・コッカーのバックで有名なグリーズ・バンドあたりの英国スワンプからブリンズレィ・シュワルツ、ヘルプ・ユアセルフのパブロック、初期STIFFレーベルにも絡んでたアニーの唯一のソロ・アルバムがこれです。


71年発表のソロ作、前述のブリンズレィやヘルプ・ユアセルフがバックを務めています。まぁパブロック・オールスターズですね。音のほうはいかにも英国スワンプです。ディラン&バンドのコンビネーションにも匹敵するような相性の良さ、そしてなにより曲がええ!
「SEBASTIAN」の生ギターでしみじみと幕を開け、「SO LONELY」で英国スワンプ全開!ディラン&バンドが好きなんやけど絶対抜けきれない英国臭!「GIRL TURNED LIVER」「LITTLE WHILE」「DON'T WANT ME」あたりが同傾向。とにかく曲が良くて、バンド全体で心地よいうねりを出してます。「SEA FEVER」は絶対にディラン&バンドには出ない(出せない?)英国生粋のバラードです。歌の入り口のメロが美しい。最後のナンバー「BELFAST」はちょっと異色、フィドルが絡んでメロが民族色を感じさせます。これってアイルランド民謡?
CDにはボーナストラックで78年のシングル曲が収録されてます。これがまたなんと「ROMEO」!THIN LIZZYが「JAILBREAK」で発表したナンバー、当然フィル・リノットの作品です。LIZZYのバージョンよりかなりお洒落なアレンジですが、これがまたハマリもんです。カップリングの「ONLY TIME WILL TELL」も名曲やし、この頃にアルバムを作ってくれてたらなぁ・・・。

この後アニーは一線から消えてしまい、2001年には帰らぬ人となってしまいました、合掌。しかし本作はアンドウェラの「PEOPLE'S PEOPLE」と並んで英国スワンプの名作です。ぜひ騙されたと思って聴いてください。