初期のELVIS COSTELLO

もう30年以上もコンスタントにしかも高水準の作品を出し続けてるコステロ、いまでも第一線で現役バリバリです。


77年のデビュー作、「MY AIM IS TRUE」。ここではまだアトラクションズは結成されておらず、ブレイク前のヒューイ・ルイスを含めたクローヴァーがバックを務めてます。当時はパンクの範疇で語られていたコステロですが、パンクというよりロカビリーやカントリーといったアメリカン・ミュージックを英国独特の屈折感で料理してビートを効かせた感じです。トップの「勤労週間」から「カイン」までの勢いある流れはええですよ。そして「ALISON」。コステロの中でも一番好きなナンバー。いつかカバーしたい曲です。83年の「PUNCH THE CLOCK」ツアーのホーンの効いたライブバージョンなんか感動もんです。B面の「RED SHOES」から「MYSTERY DANNCE」の流れもええね。


78年作の2ND「THIS YEAR'S GIRL」から長年の付き合いになるアトラクションズが結成されます。よりビートが強調されつつもメロディはさらにポップになっていきます。とにかくアトラクションズのバックは強力、特に個人的にはブルース・トーマスのベースはうねりといい、間合いというか符の抜き方・採り方が凄い!たしか70年代初期からどっかのバンドにおったはず・・・。とにかく「NO ACTION」、タイトル曲、「BEAT」「PUMP IT UP」「BELONG TO ME」「CHELSEA」「LIP SERVICE」「LIPSTICK」と代表曲のオンパレード!初期のビートの効いたコステロを聴きたいなら本作がお勧めです。日本でも本作でデビューしました。


さらにポップさを追求した3RDの「ARMED FORCES」。BEATLESというかポール・マッカートニー直系、XTCにも繋がるブリティッシュ・ポップの極みです。トップの「ACCIDENTS」、シングルヒットした「OLIVER'S ARMY」、派手めのバラードの「PARTY GIRL」、ライブでの定番「PEACE LOVE&UNDERSTAND」あたりが名曲ですね。この辺はミスチルの桜井氏が大好きなんでしょう、ミスチルの曲のそこここに影響大です。あと地味ながら「BUSY BODY」や「TWO LITTELE HITLERS」「CHEMISTRY CLASS」も中々ええ曲です。ただええ曲とそうでない曲の差が大きいかな?とはいってもコステロの作る曲、十分に味わい深いんですけどね。


そして個人的には最高傑作と思ってる4THの「GET HAPPY!」。全20曲、とにかく捨て曲なし!よくもこんなにええ曲ばっか書けたよなぁ・・・全曲名曲です。中でもトップの「LOVE FOR TENDER」英国丸出しの「馬王」「アンクル」「HIGH FIDELITY」「POSSESSION」性急な「ペテン師」「先手必勝」バラードの「アムステルダム」「RIOT ACT」がええ。アトラクションズとのコンビネーションも最高!ブルースのベースも完全に職人芸の域です。「B級映画」のイントロなんかフレージング、間合いとも居合いぬきの世界です。本作では前作までのビート感、英国独特の屈折したポップ感に加え、モータウンやスタックスなんかの60年代R&Bの匂いもプンプンしてます。実際にサム&デイヴやマージービーツのカバーも収録されてます。とにかく本作はお勧めですよ。私もこれでコステロにはまりました、必聴!

勢い余って思わず4枚も紹介してしまった。明日は腹の抜糸をせなあかんというのに・・・。