OSANNA

相変わらず暑い!こんな時は暑苦しいのが一番、AC/DCとは違った意味で暑苦しいイタリアはナポリのハードプログレバンドOSANNAです。

 まずは日本初登場の「ミラノ・カブリノ9」。中学生の頃、キングのユーロ・ロック・シリーズの極初期の段階で発売されました。ジェスロ・タルがメロトロンを入れてハードにした感じです。唾吹きフルート、R.フリップばりの歪んだギター(ソロよりリフ重視)、サントラだけにボーカルの比重は少なめで各曲がコンパクトになってます。1曲目のピアノにメロトロン、ブラスが絡んできていきなりハードなリフが斬り込んでくるところなんかスリリング!そして最後はいかにもイタリアらしいカンツォーネっぽいボーカルバラードで幕を閉じます。本作のほうがコンパクトでわかりやすくて初めてOSANNAを聴くには適してるかも?

 そしてイタリアン・プログレのみならず全世界暗黒プログレの大傑作「PALEPOLI」です。架空の地底都市パレポリ(多分故郷のナポリをイメージしたもの)を題材にした土着的イントロからSABBATHの「CHILDREN OF GRAVE」のようなへヴィシャッフルがフェードイン、ボーカルもどこかカーニバル的。叙情的なパートもあるが全体を覆う術祖的(ヒンドゥとかヴードゥーすら感じさせる)な脅迫感。アナログの中ジャケにもあるような訳のわからんシュールな世界観。英国の端正なプログレとは一味違う暗黒・土着・どす赤黒い宗教観を感じます。これは言葉にはできやん。とにかく聴いてもらうしかないわ。俺がイタリアのプログレが大好きな理由が本作やブロンゾの「YS」にある。

最近OSANNAも再結成されて来日したらしい。何でもありの世の中になったなぁ。