SWEET

すっかり誰もが忘れてしまったバンド・・・SWEET!かの昔はQUEENのライバルとして「FOX ON THE RUN」や「ACTION」がシングルヒットしてました。日本ではどうも本格派ではなく、かといってQUEENほどルックスが良くもなく人気も今ひとつでした。

 今まではシングル中心のアイドルバンド的だったSWEETがアルバムアーチストとして、また本格的HRバンドしての一歩を進めた「DESOLATION BOULEVARD」です。やっぱり売りは「FOX ON THE RUN」でしょう。適度にハードでポップでキャッチー、絶対売れ筋の名曲です。「BALLROOM BLITZ」「6-TEENS」もシングルヒットしましたね。特に「6-TEENS」は甘酸っぱい名曲です。他にもスピーディHRの「SWEET F.A.」「SET ME FREE」、R&Rの「A.C.D.C.」もええけど最後の「SOLID GOLD」が隠れた名曲です。適度にハードでポップ・キャッチーなんやけどちょっと渋めの英国らしい名曲です。全体的に今までのポップさを残しつつHRへの移行が絶妙のバランスを生んでます。

 そして日本では本作が一番有名です「GIVE US WINK」。「FOX ON THE RUN」のヒットを受けて続く「ACTION」も大ヒットしました。この2曲は日本でも結構ヒットしました。「ACTION」は後年、デフレパがカバーしてました。確かに適度なハードさにポップ・キャッチーに加えてスリリングでドラマチックでコーラスなんかQUEENっぽいです。本作からはもう1曲シングルカットされてます「恋はだましあい」。「FOX」の二番煎じみたいなイントロから「SATISFACTION」のリフが笑わせます。ちょっと曲自体の魅力に欠ける。地味目やけどよくできた「昨日の雨」、スピーディHRの「白ねずみ」、へヴィな「ゴキブリ野郎」あたり聴き所なんやけど前作のほうが楽曲の出来が良かった。

 そして個人的にはSWEETの最高傑作「OFF THE RECORD」です。「FEVER OF LOVE」「LOS ANGELS」「STAIRWAY TO STARS」はSWEETらしい適度にハードでキャッチーな名曲。それもスリリングでドラマチックさが「ACTION」よりもスムーズになってます。スピーディなHRナンバーも「MIDNIGHT」「LIVE FOR TODAY」「GIMME LOVIN」と充実、特に「LIVE」と「LOVIN」は名曲ですよ。SWEETをアイドルポップなバンドと舐めてる人にはぜひ聴いてもらいたい!そして問題の「FUNK IT UP」。個人的には大好きなナンバーなんやけどなぁ。QUEENのファンク路線を数年先取りした問題の曲です。うん、出来は極めてええと思うよ、シングルカットされたくらいやし・・・しかしSWEETのイメージからかけ離れすぎやろ!とにかく本作は今までのSWEETの適度にハードでキャッチーさが結実、スピーディなHRにも磨きがかかり、新展開も示した最高傑作です。

しかしいつまでたってもSWEETはQUEENのようにはビッグにはなれず、いつの間にかシーンから消えていってしまいます。惜しいバンドやったなぁ・・・。