TOAD

英米以外のハードロックバンドを幾つか紹介してきましたが、とんでもないバンドが未紹介でした。TOADフロムスイスです。

蛙ジャケが印象的な1STです。まだアナログの時代、梅田のエジソンで20年以上昔に出会いました。あの頃はこのTOADやらAUNT MARYやら未知のバンドがゴロゴロしてたなぁ。ヴィットリオの殺傷力抜群の超ソリッドなギター、リフだけやなくてソロも殺傷力抜群。ファイヤーバード愛用らしくジョニー・ウインター同様の鋭さです。そしてコジモのバタバタしたドラムにのったヴァーナーの縦横無尽なベース。縦横無尽ながら歌心あるベースはヒープのゲイリー・セイン、ハンブル・パイのグレッグ・リドリーと並んで3大マイ・フェバリット・ベーシストの一人です。ボーカルのベンジャミンは1STで脱退、あのプログレバンドのISLANDに参加します。ただ、このバンドの音はいかにもトリオって感じでちょっと専任ボーカリストの必要性あるの?ベンジャミンも絶対必要なほどのボーカリストではないし・・・。いかにもへヴィロックから展開が変わり、最後は壮絶なエンディングの1曲目。ちょっと憂いのある歌メロの2曲目、大好きです。ハードで格好良いインストの3曲目、ジミヘンの「RED HOUSE」みたいなブルースの4曲目の後、B面に移ってまたいかにもへヴィロックな1曲目、ちょっとサバスっぽいかな?中盤のアコースティックな部分から待ってました!のベースソロ。最近のビリー・シーンみたいな「こんなに指が動きます!」的なソロではなく、アンディ・フレイザーの「MR.BIG」のようなメロディックなソロで個人的にも参考になります。終盤も格好良いぞ!そして「PIG'S WALK」。ずばり一言、スリリングです!しかしインタープレイの壮絶さ、そしてドラムソロとやりたい放題!そりゃあボーカリストも脱退するやろ!最後はアコースティックの小曲でアルバムは幕を閉じます。

 そしてヨーロッパ圏内ハードロックの最高峰「TOMORROW BLUE」です。専任ボーカルが抜けてトリオになって大正解。ヴィットリオのボーカルのほうがバンドにフィットしてます。そして何よりも1stより曲がいい!本作の曲も決して展開が単純ではないけれど、スムーズでスリリングになっています。憂いのある歌メロから壮絶なインタープレイに展開する1曲目から只事ではありません。そしてシャッフルブギーのタイトル曲。ギター弾きまくり!終盤のベースにも注目です。そしてA面最後はヴァイオリンも入れてのちょっと室内音楽すら感じさせるアコースティックの名曲です。B面に移ってサビが格好良い「VAMPIRES」、中盤のアコースティックな感じからの盛り上がり、ヴィットリオの超鋭いソロ、名曲です。そして個人的にはTOADで一番好きな「NO NEED」、トリオの最高峰でもあった1STの「PIG'S WALK」の良い所だけを凝縮したスリリングでコンパクトで格好良い大名曲です。そして「CHANGE IN TIME」においては目まぐるしく展開し、室内音楽からジミヘンを思わすサウンド・コラージュまで飛び出す幕ノ内弁当状態。USJスパイダーマンに乗ってる感じです。最後はピアノでのエピローグで本作は幕を閉じます。1STより歌メロが良くなりインタープレイだけに頼ることない展開のスムーズさがあって個人的には本作を最高作とします。あ、ヨーロッパ圏内ハードロックの最高峰って言ったけど、全世界的ハードロックの最高峰やね、間違いない!

この後、ポップでややファンキーな3RDを出してTOADは解散します。90年代に再結成して1枚出てたよなぁ。聴きましたよ、悪くない。でもこの2枚には及ばんでしょう。2枚ともCD化されてなんと国内盤も出たらしい。ボーナスに当時のシングルが収録されてます。「STAY」「ANIMAL'S WORLD」「FLY」は名曲ですよ。ジミヘンの「紫煙」、BEATLESの「I SAW HER STANDING THERE」はご愛嬌やけど・・・。