中期のSTREET SLIDERSパート2

いよいよSLIDERSのアルバム紹介も佳境に入ってきました。

 一気に大メジャーになるかと思われたSLIDERS、ところがZUZUのバイク事故でツアーもキャンセル。HARRYと蘭丸はJOY POPSというアコユニットであちこちのフェスに顔を出してました。これが良い休養になったようでこの「SCREW DRIVER」は中々の傑作になりました。トップの「風の街」は「BOYS JUMP」のような疾走感を持った曲やけど、「BOYS JUMP」のような変なポップさはなくなり男らしい名曲に仕上がってます。続く「神様」は個人的に大好きな曲、キャッチーやし歌詞も最高!「帰り道のBLUE」も黄昏感がむっちゃ気持ち良い。蘭丸とのハモリがええ感じです。「DON'T WORRY」はシングルにもなったキャッチーな曲。ラストの「MAMA」はこれまた疾走感溢れるナンバー。これはデビュー当時からのナンバー。とにかくA面の流れは最高!これまでのブルージーなR&R、打ち込みも含めたポップさの見事な融合が完成してます。B面はちょっと気が抜けたのかA面ほどのテンションはありませんが、SLIDERS風ファンキーナンバーの「YOOO!」、しみじみする「おかかえ運転手」「ありったけコイン」あたりは名曲ですよ。特に「ありったけコイン」はシングルにもなった「のら犬」のアンサーソングのような名曲です。中期のSLIDERSでは本作が一番SLIDERSらしさ、曲の良さ、アルバムとしての整合性があると思います。

この後「ROUTE SS」という3枚組みシングル(缶の筆箱のようなパッケージに入ってました)をリリース。JOY POPSとしての成果も見え、「いい天気」「BAD女」といった名曲も含まれた意欲作でした。この時のツアーも四日市で見たなぁ。HARRYがご機嫌でいいライブでした。アンコールでタオルも振ってたしなぁ。これがSLIDRESのライブを見るのが最後になりました。

 続く「NASTY CHILDREN」でSLIDERSは一旦活動を停止します。たしかに活動停止前の本作はちょっと疲れてる感じがします。実際HARRYもかなり煮詰まっていたらしい。「ON THE RUN」から軽快に始まり、ちょっとブルージーなイントロの「CANCEL」あたりは結構いいんやけど「ALRIGHT BABAY」バラードの「FRIENDS」あたりはちょっと曲の魅力に欠ける。レゲエ風の「DARLIN'」勢いのある「LONGEST NIGHT」はええんやけど、ちょっと名曲の域には達してない。蘭丸の歌う「SISTER」においては?って感じ。しかし「安物ワイン」と「PANORAMA」は名曲や。特に「PANORAMA」はSLIDERSのバラードの中でも一番好きかも知れん。行き詰ったHARRYの苛立ちを浄化するようなソウルフルなバラードです。ホーンが効いてます。あぁ、この曲をライブで聴きたかったなぁ・・・。「安物ワイン」もキャッチーなサビが格好良い名曲です。本作はこの2曲の出来が突出していて結構つまらない曲との落差が大きいかな。でもこの2曲はええですよ。特に「PANORAMA」は仕事で疲れて帰ってきた時によく聴きました。ちなみに本作ロンドン録音です。

「NASTY CHILDREN」発表後SLIDRESは活動停止に入ります。