HARD STUFF

今度はATOMIC ROOSTER絡みでHARD STUFF・・・なんか美人数珠繋ぎみたいになってきたぞ。

「IN HEARING OF」発表後ATOMIC ROOSTERを脱退したJOHN DU CANNとPAUL HAMMONDはクォーターマスのJOHN GUSTAFSONを誘ってバレットを結成、同名バンドが米国にいたためにHARD STUFFとバンド名を変更、グスタフソンがパープル(というかイアン・ギランとロジャー・グローバー)と人脈があったことからパープル・レコードからデビューしました。

 71年発表の1ST。カンもATOMIC ROOSTER時代よりさらにハードな音を追求したのかゴリゴリのハードロックです。トップから殺傷力抜群のリフで刺し込んできます。あれ、この曲って最後までワンコード?曲そのものより殺傷力を重視したのでしょうか?2,3曲目は本作の中でも大好きなナンバー。ひたすら格好良いの一言に尽きます。ちょっと異質な感じのユニゾンリフ、実は入念に作り練られた楽曲、そしてそれを豪快に演奏するテクとパワー!そしてこれまたカンの殺傷力抜群のリフで始まる「TIME GAMBLER」。これまた大好きな曲!特に途中のギターのヘンなハモリからベースに導かれてギターソロが始まるところからサビに戻るところなんか無茶スリリング!

B面ではA面の臭いを引きずった1曲目もよいが、やっぱり「MONSTER IN PARADISE」でしょう。これまた変てこなユニゾンから始まるギラン・グローバーとの共作曲です。なんとグスタフソンの前在籍したクォーターマスの解散直前の71年春のベルリンのライブでは既にこの曲は演奏されていました(BOOT「PHANTOM PRATENODON」参照)。ちょっとサビがポップな名曲です。これまたちょっとポップな3曲目に続いて出ました、またまた変態リフの「MR.LONGAVITY」意外と唄メロなんかポップなんやけど英国らしいこの屈折感!最後は3コードジャムった感じの曲で終わります。

 続いて73年発表のセカンド・・・ということはこの間にツアーやらやってたんやろうな、BOOTが聴いてみたい!トップは軽快にR&Rで始まります。本作でのカンの曲はR&R色が強く1STに較べて若干大人しくなったか?って感じです。しかし2曲目のグスタフソンの曲、やってくれました。全然ハードじゃないけど、この変態的展開!これぞ英国って感じで思わずニンマリです。4曲目はグスタフソン得意の変態リフ炸裂のハードナンバー。ラストはカン得意のデス音ギターに導かれて始まるこれまた変態チックなインスト。

B面トップはこれまたカン作曲のR&Rテイスト強い曲。とはいってもどこか屈折した感じは英国ならでは!実は名曲ですよ。そしてグスタフソンのなんともファンキーなベースがリードする「LIBEL」。このベースのニュアンス、中々出ないもんですよ。このファンキーさはカン作の「SPIDER'S WEB」「GET LOST」でも出てます。この2NDはカンのR&R色、グスタフソンの変態ファンキー色が表面化してきてます。その分、1ST(特に1STのA面)に較べてハードさが少ないように思います。とは言っても英国らしさ満載のマニア納得の出来ですが・・・。

やっぱりATOMIC ROOSTERと並んでHARD STUFFも70年代初頭の英国ハードロックバンドとしては外せやんでしょう。初めて聴く人には1STがお勧めです。ATOMIC ROOSTER、HARD STUFFと来たら次は?ほんまに美人数珠繋ぎみたいになってきたぞ!