ATOMIC ROOSTER

PETER FRENCH絡みで英国の裏街道の名門バンド、ATOMIC ROOSTERを紹介します。彼らの発表した5枚のアルバムはどれも味わい深いものですが、アート・ロックの臭いの残る1ST、クリス・ファーロウが加入してファンキーに黒っぽくなった4TH、5THはまた後日として今回はハードロックとしてピークだった2,3枚目を紹介します。

 JOHN DU CANN、PAUL HAMMONDを加え一気にハードロック色を強めた2NDです。トップのタイトル曲の陰鬱なピアノのイントロからしてワクワクしてきます。そこへデス音ギタリスト西の横綱(東の横綱はGROUNDHOGSのジョン・マクフィーでしょう)デュカンのギターが絡みだし、へヴィチューンが始まります。もう英国ハードにしか有り得ない音です。2曲目のインストもスリリング。3曲目は当時シングルカットになった「TOMORROW'S NIGHT」。これもエンディングでデュカンのデス音ギターがちゃちゃを入れてます。A面ラストはデュカンの前在籍のアンドロメダの「7STERRT」の再録ですが、アンドロメダより数段ハードになってます。

B面トップは本作で一番好きな「SLEEPING FOR YEARS」。リフが格好良いハードナンバー。この曲もエンディングがいかしてます。ちょっとポップな2曲目を挟み、英国ならでは陰影に富んだピアノバラード「NOBODY ELSE」。途中のちょっとジャズっぽくなるとこなんか英国臭プンプンしてます。最後はまたまたハードなインストで幕を閉じます。特にインストになるとパープル以上にギターとキーボードがバトルしてて無茶苦茶スリリング!

 そしてPETER FRENCHが加入してボーカルを強化した本作、最高傑作と呼ばれてます。フレンチ、デュカン、クレインと面子が揃ったら当然でしょう。トップから新生LEAF HOUNDでもリメイクした「BREAKTHROUGH」。ひたすら熱いFRENCHのボーカルに対しどこまでもクールなバックの音感があくまでも英国です。2曲目もハードさを抑えた燻し銀的ナンバー。こういう曲でFRENCHのボーカルは自由感があってGOODです。そして英国というかATOMIC ROOSTERならではのピアノバラード「DECISION/INDECISION」。前作の「NOBODY ELSE」といいこの曲といいATOMIC ROOSTERならではの曲です。この異質感は聴いてもらうしかない!そしてハードなインストでA面は終わります。

B面はクレインの頼りなげなボーカルのクールな「BLACK SNAKE」で始まります。そして本作で一番好きな「HEAD IN THE SKY」!このスピード感、ただテンポが速いのではなくノリが良いとはこの事でしょう。嫁さんがなんとこの曲をBLANKY JET CITYと聴き間違えてました!!そして今までのインストとはちょっと雰囲気が違うインスト曲「THE ROCK」。ギターとキーボードがバトルするというよりアンサンブルで聴かすインストです。最後はA面2曲目と同系統の燻し銀ハードロック。こういう曲ではFRENCHのボーカルが映えます。

世間的には3作目の「IN HEARING OF」が最高傑作と呼ばれていますが、2NDの「DEATH WALK BEHIND YOU」も暗い英国ならではのハードロックの名盤です。燻し銀的名作の3RDよりハードロックとしてわかりやすい2NDのほうが初めて聴くにはいいかもしれません。どちらにしても英国裏街道の名バンドATOMIC ROOSTER、ぜひ聴いてもらいたい!!英国のどんよりとした曇り空のような、煮え切らないハードロックの名品です。