AUNT MARY

もうマイナー系まっしぐらになってきました。今回は英米を離れて北欧ノルウェーのアント・マリーです。

 アント・マリーのセカンド、72年作です。60年代を引きずった1ST(ジャニスやらに捧げたナンバーもあります)、バラエティに富んだ、というか富み過ぎた3RDと比べても本作はハードロックとして一番まとまりがある北欧ハードロックの名盤です。20年以上前、まだアナログ時代にたしか梅田のエジソンで出会った記憶が・・・。あの頃はAUNT MARY、TOAD、LUCIFFER’S FRIENDなど英米以外のハードロックの水準の高さにビックリしたもんです。

いきなりパープルというかイングウェイまでを思わせる(72年なのに!!)オープニングのインストから「これは只事ではない」と思わせ、2曲目の「JOININ' THE CROWD」でもうメロメロの格好良さ!パープルの「INTO THE FIRE」や「STRANGE WOMAN」を思わせるへヴィナンバーです。アコースティックな小曲を挟んでこれまたギターのイントロが格好良い「UPSIDE DOWN」、サビが大好きです。続いてアコースティックでドリーミーな雰囲気から一転へヴィに展開する「FAREWELL MY FRIEND」。ハモンドの響きが初期のELPを感じさせます。

B面に移ってこれまたELPを思わせるイントロの「BLOWIN' TIFFANY」。唄に入るとハードになったクレシダというかグラシャスというか70年代初頭の英国オルガンロックのメロディ、たまりましぇん!途中の生ギターから繰り出されるソロパートも充実してます。続いてまたまた英国70年代初頭のメロディが炸裂する「FIRE OF MY LIFETIME」。これってRARE BIRDの曲と違うの?ってくらいあの時代の音です。ギターソロも泣き泣きです。おっと、アーミングがリッチーか?最後はちょっとジャムっぽいへヴィナンバーで幕を閉じます。この曲もハモンドが荒れ狂ってます。またまたリッチーを意識したギターも負けじと頑張ってます。

本作は英米以外の70年代初頭のハードロック、特に北欧ではずば抜けた完成度を誇る名盤です。それもパープルを後追いでなく同時期に同水準でやっていたという事実を見逃すのは勿体無い!英米のハードロック、それもマイナー系を聴いたことのない人にぜひ聴いてもらいたい一枚です。