JESSE ED DAVIS

60年代終わりから70年代前半にかけてのSTONESフリークなのでスワンプ・ロック系も外せません。昔BLOW OUTというバンドをやってる時にギターのヘルプやらプロデュースやらでお世話になった岩佐氏の物置からアナログを拝借したのがJESSE ED DAVISとの出会いでした。その時は「ULULU」でしたが「いなたいなぁ〜」というのが初めて聴いた感想、その後CD時代になって全作CD化されました。

 これがソロ1作目、クラプトンやらレオン・ラッセルやらスワンプ系オールスターズが脇を固めてます。いなたい1曲目かが気だるく始まり、やる気のなさげなボーカルが入ってくるとそこはもうJESSEの世界。A面は割とROCK色が強いナンバーで占められていて最高なのが「EVERYNIGHT IS SATURDAY NIGHT」、もう汗だくになって楽しそう!録音中に足元に置いたコーラ瓶(?)をこかしてしまい瓶が倒れて転がるノイズ(意図的か?)が最高。なかなか終わらない後半のジャムも楽しくて終わるのが惜しいって感じがビンビン伝わります。JESSEのテーマソングの「WASHITA LOVE CHILD」も軽快で楽しいよ!この曲のソロはクラプトンか?
替ってB面はバラード系で占められてるけど「R&R GIPSIES」とヴァン・モリソンの「CRAZY LOVE」が涙ものです。「R&R GIPSIES」はヴィネガー・ジョーとか色んなカバーがあるけどジェシのバージョンが一番です。「CRAZY LOVE」は完璧なヴァン・モリソンに較べて(較べるのが無茶?)頼りないジェシのヘロヘロのボーカルがダメおやじっぽくて共感します。

 これがジェシとの出会い、2NDの「ULULU」です。1STにもうちょっとバラエティを持たせた感じ。1曲目から初期のドクター・ジョンっぽいドロドロした「RED DIRT BOOGIE」に始まり、軽快な「WHITE LINER FEVER」の次はタジ・マハールの「ジャイアント・ステップ」(これも大名盤!ジェシのバックも冴えてます)にも収録されていた「FURTHER」。タジより切々としたバージョンで泣かせます。ジョージ・ハリソンのプレゼント曲、レオン・ラッセルの「アルカトラス」(NAZARETHもやってました)、トラッドの「OH SUSANNAH」に負けじとジェシのオリジナルも冴えてます。師匠であるタジに捧げた「MY CAPTAIN」なんかゴスペル・バラードっぽくて最高です。

 その後3RDを出したジェシは他人のバックに専念していきます。個人的に一番驚いたのがロッド率いるFACESの75年USツアーに2NDギタリストとしてツアー同行していること。FACESのBOXにバッチリ写真が出てます。どうりで当時のブートに2本ギターが鳴ってるわけだ。あとジョン・レノンの「STAND BY ME」のソロも忘れられない、あのジェシ独特のトーン・・・なんだかんだで次第に表舞台から遠のき地元のクラブで細々と活動を続け88年にはドラッグで亡くなってしまいます。

 ソロは3枚あるけど1ST、2NDは甲乙つけがたい名盤。あえて選ぶなら個人的には曲そのものが優る(と個人的には思う)1STがおすすめです。とにかくスワンピーな音が好きな人は絶対聴いてください。