URSA MAJOR

BLACK CROWESに続いて米国ものをもう一丁いきます。名前に反してちょっとマイナーかなぁ、URSA MAJOR!え、知らない?そりゃ国内未発売やもんなぁ。後にアリス・クーパーのバックで名をあげるディック・ワーグナーのバンドです。「それ誰?」って言われるとつらいなぁ・・・。

THE FROST(STUDIO盤は音が軽いけど、ライブ盤「THE BEST OF FROST」は中々の力作です)解散後にワーグナーが元アンボイ・デュークスのベース達と組んだトリオがURSA MAJOR。その唯一のアルバムがこれです。

当時RCAよりリリースされた本作、メジャーからのリリースだけあって音も厚く重く、英国HRと較べてもひけをとりません。トップから異常に引っ張るイントロ音に続いて重〜いリフ、まるで「太陽と戦慄パート2」のハードロック版のようです。ワーグナーのボーカルもハードロックに徹していて一曲目から殺傷力抜群です。ハードロック・ファンならこの1曲でノックアウトでしょう。フォークっぽく始まりじわじわと盛り上げる2曲目で一息ついて3曲目はノリのいい単音リフのユニゾンが格好良いハードナンバー。これ大好き、ノリノリです!

B面に移っていきなりどヘビーなナンバー、英国勢もビックリです。続いて2曲目、マイナー系のバラードですがこれがまた良い!憂いたメロディがこれまた英国を感じさせます。3曲目はPOPでノリの良いナンバー、FROSTも思わせます。これも大好きなナンバーです。ラストはA面2曲目を思わせるフォーキーなナンバーで幕を閉じます。この曲、当時シングルカットされたらしいです。

URSA MAJORは72年に本作を残して解散、ワーグナーはボブ・エズリンと共にルー・リードアリス・クーパーの片腕となっていきます。米国HRにしては押せ押せに徹さず押し・引き、明暗を巧みに盛り込んだ本作、「ハードロックは英国に限る」と思っている人にぜひ聴いてもらいたい逸品です。