MOTTのLIVE ALBUM パート2

前々回に続いてMOTTのLIVE ALBUM、ブレイク後を紹介していきます。

 72年4月のウェルバーハンプトン、R&Rサーカスツアー。オフィシャルのくせに隠密録音です。70年のフィルモアと同じ程度、まぁまぁ良好ですがBOOTレベル。同年3月のバンド解散の危機を乗り越えR&Rバンドとしての勢いが出てきました。この頃にはボウイと出会ってますが、まだ「すべての若き野郎ども」はリリースされていません。そういう意味ではブレイク直前です。でも先月できたばかりの「MOTTのバラッド」をやってます。この曲が聴けるのはこのライブだけ・・・もっと良い音質だったらなぁ。音質ではっきり言ってマニア向けです。

続いて72年11月フィラデルフィア、タワーシアターでのライブ。「野郎ども」も大ヒット、R&Rバンドとしての勢いがライブに出てます。アナログ時代から74年サンタモニカと並んで有名な音源でした。オープニングの「JERKIN’CROCUS」からして「野郎ども」中心の選曲、クライマックスに「野郎ども」をやるあたり、新生MOTTを強く印象付けるライブです。「野郎ども」からの曲は必聴ですが特にピアノでしっとりの「SEA DIVER」が聞き物です。当時のラジオ音源と思われ音質も当時としては最高レベルです。必聴です!とにかくブレイク直後の熱いライブが味わえます。あ、アンコールの「HONKY TONK WOMEN」ではボウイがゲストで出ています。

71年5月の2回目のUSツアー、73年7月からの4回目USツアーからは8月3日N.Y.のフェルトフォーラム、74年4月からの5回目USツアーからはアナログ時代から有名なサンタモニカ公演をコンピレーションした2枚組。全公演ラインで音質良好です。71年ライブは3RDアルバム時のツアーからでやっぱジミ・・・70年フィルモアと選曲がだぶっているけど・・・。73年のライブはお勧めです。4曲しかないのが悔やまれますが音も迫力あって引き締まったライブが楽しめます。このツアーからギターがアリエルに替ってます。74年サンタモニカは昔から慣れ親しんだ音源。最初に聴いた時にイアンのボーカルのヘロヘロさに唖然としたもんです。他のライブを聴くとこの日は特別に調子悪かったのがわかります。最初にサンタモニカライブを聴くと素人はつらいやろうなぁ。音質はいいけどイアンの喉が悲鳴をあげてます。

 昔からのオフィシャル「LIVE」がめでたく2枚組になって2つのライブがほぼ完全版になりました。74年USツアーから5月のユリスシアター、73年12月のハマースミス、これは必聴、まずはMOTTのライブならこれを聴いてください。それまでBOOTやらBOXやらで断片的になっていたのに未発表部分をプラスしてライブを再現してます。74年は「HOOPLE」のツアー、73年は「MOTT」のツアーです。スタジオ盤の数倍破壊力を増して、特にアリエルのギターはかなり暴力的になってます。両面ともすべてが聴き所ですが、特にR&Rメドレー、「ALL WAY FROM MEMPHIS」「WALKING WITH MOUNTAIN」あたりのR&Rナンバーが凶暴で最高です。多分、ハマースミスのほうは「MEMPHIS」が抜けてるんではないでしょうか?とにかくこれを聴いてください!

てなわけでMOTTのライブはオフィシャルで出ているやつで十分網羅できます。BOOTのみの音源はもう残ってないのか?と思ってたら、ひとつ残ってました!73年9月のハリウッドパラディアム公演。隠密やけど70年フィルモア、72年ウェルバーハンプトンと同じレベルなのでBOOT聴いている人なら十分良好な音質です。内容は同年12月のハマースミスとほぼ同一、油の乗った一番MOTTのおいしい時期なので内容は悪いわけありません。隠密のBOOTなので万人にはお勧めできませんが、BOOTも聴けるMOTTファンならぜひ聴いてもらいたい一品です。

噂では75年解散寸前のEUROツアーの音源があるらしい。ギターはミック・ロンソン、聴きてえなぁ!!