CULT

今日は割りと最近の・・・とは言っても20年以上前!のCULTを紹介します。

 CULTが一気にメジャー(とは言っても本国イギリスではすでにメジャーでした)になった「ELECTRIC」。RUN DMCで有名なリック・ルービンのプロデュースでそれまでのちょっとゴシックがかったポジパンからいきなりZEPかAC/DCかというようなハードロックに転身した一枚。リバーブやらゲートを効かしたエセメタと違って非常に乾いた録音。俺的にはこっちのほうがはるかにへヴィメタルを感じます。とにかく名曲揃い!トップの「荒花」から「幸犬」「小悪魔」と続く流れは最高です。A面では「小悪魔」「電気海」なんかモロAC/DC!ラストの「悪楽」なんかイントロがARMAGEDDONの「BLIZZARD」みたいな高速単音リフです。誰がARMAGEDDON言ってわかんの?B面も「王国男」のイントロからしびれます。「愛除機」はまたまたAC/DC!そして「BORN TO BE WILD」!CULTのこのバージョン、最近CMで使われてました。オリジナルを凌駕する出来、イアンのボーカルのほうがオリジナルよりこの曲にフィットしてます。そして大好きな「OUTLAW」。この疾走感がええんやわ。最後は「MEMPHIS腰揺」でZEPを感じさせて終了します。しかしそれまでのCULTも聴いていた俺にとっては衝撃的な一枚でした。

 続く「SONIC TEMPLE」では米HMの売れっ子プロデューサーのボブ・ロックを迎えてスケール感たっぷりのハードロックを展開しています。音処理もいかにも売れ筋の音になりました。この一枚でアメリカにも進出しました。前作が叙情を一切排除した乾いたイメージならば本作は憂いもたたえた様式美すら感じさせる一枚です。イアンのボーカルもスコピのクラウス・マイネやロニー・ジェイムス・ディオに近くなりました。どっちにしても完成度の極めて高い名作です。特にA面の流れは完璧!ちょっと湿った感じのハードロックナンバー「太陽王」「火女」、スケールの大きいバラードの「EDIE」、そして大好きな「甘魂妹」と名曲揃いです。B面ではイギー・ポップがコーラスというかナレーションでゲスト参加している「N.Y.C.」、ちょっとポップな「WAKE UP TIME」あたりが出来がよい。しかしA面の出来が凄すぎてちょっと分が悪いかな。それでも十分名作です。A面が凄すぎ!

この後CULTは2枚出して解散、イアンはDOORSの再結成ツアーに参加した後、CULTは再結成されました。再結成後2枚のアルバムを出して存続中です。・・・が、未聴。とにかくCULTならこの2枚、特に「ELECTRIC」がお勧めです。結構燃えます。