GOATS HEAD SOUP / THE ROLLING STONES

新年あけましておめでとうございます。今年の一枚目は定番、いや裏番でしょう。STONESの「山羊のオツムのスープ」!昨年末に突如オフィシャルリリース(配信のみ)された「Nasty Music」でブート界では超有名な73年ユーロツアー時の最新作です。

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前作の「メインストリート」が南部っぽいアーシーな味わいでしたが、本作はちょっと都会的な匂いがあれば土着的な匂いもある良く言えばバラエティーに富んだ、悪く言えば散漫な仕上がりになってます。ツアーに明け暮れ、ミックはビアンカと結婚、キースは麻薬で捕まったりと激しい時期やったんでしょう。「メインストリート」でそれまでの泥臭さを吐き尽くした後、「何でも吸収する」STONESらしい展開です。

トップの「Mr.D」からちょっと気怠い出だし、煙だらけで見にくい当時のPVが雰囲気をうまく表してます。「100Years Ago」は完全にビリー・プレストンの独壇場。クラビネットが心地良いジャムっぽい曲。「Doo×4」はマイナーのハードロックっぽいナンバー、続く本作のハイライトの「アンジー」と並んでこのあたり日本人受け良さそう。個人的にはちょっとピンとこないんやけど・・・。特に「アンジー」は演歌みたい?でも大ヒット曲です。

B面は軽快なR&Rの「銀汽車」からスタート。ジョニー・ウインターでも有名なこの曲、ジョニーに較べて割とサラッとした感じがSTONESらしい、と言うかジョニーが暑苦し過ぎ!そして土着的な「Hide Your Love」「音楽は聞こえる?」に挟まれた「Winter」が素晴らしい。キースとテイラーの絶妙のギターアンサンブルにのったミックのボーカルがセクシーでジェントリーです。最後は「これぞキース!」ってイントロから始まるいかにもSTONESテイスト満載のR&R「Starfucker」。歌詞もいかにもミックらしい猥雑さがあってバカバカしいけど大好きなナンバー。次作の「Its Only R&R, But I Like It」そのものです!

本作は前作の「メインストリート」に隠れて「アンジー」の収録されているアルバムというイメージが強いなぁ。確かに曲の出来にバラつきもあって捨て曲が結構はっきりしてるよなぁ。しかし「メインストリート」で南部スワンプを吐き尽くした後、試行錯誤しながら都会っぽさを身に付けていく過程(特にA面)として重要作でしょう。STONESを最初に聴くにはお薦めできやんけどね!

配信のみの73年ブリュッセルのライブ、CD発売してくれやんかな?映像なんかあったら気絶するけど・・・最近、発掘が異常にすすんでるSTONES、ひょっとして!?